固定チームナーシングの看護方式を取り入れた場合、チーム活動が成熟するまでにはさまざまな問題が発生します。たとえば、師長に就任しても、数ケ月間は師長自身が師長と呼ばれることに戸惑いを感じ、どんなに要領のいい人でも、慣れるのに2ケ月から3ケ月はかかるようです。また、組織のポジションが明確でない若い看護師がチームリーダーを任された場合は、役割をしっかりと果たせるようになるまでにはかなりの時間がかかります。そのため、この看護方式を導入する場合は、成熟したチーム活動を形成するために一定の期間が必要であることを理解しておかなければなりません。最低でも1年以上は固定ナーシングを実施し、それぞれの役割と業務を明確にしてチーム活動することが成功の鍵になるでしょう。
また、チーム活動には必ずチーム目標を掲げなければなりません。看護部に看護方針があるように、病棟には病棟方針を設けます。固定チームは、その方針を基に目標達成に向けて活動することが重要です。方向性が明確であれば、一体感を持って仕事に臨めるので、協力体勢も整いやすくなるでしょう。また、定期的にチーム内でミーティングを開催し、現状報告や助言、協力を得られるように話し合いをするようにすると効果的です。
ちなみに、固定チームの中でも、さらに小集団を形成しておくと、トラブルが起きたときでも臨機応変に対応ができるようになります。こうしたチームナーシングは、個々の看護師の責任感を育み、仕事に対してのやりがいにつなげることができると私は感じています。